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作成日:2026/01/16
就業規則改定に必要な「従業員説明」の進め方とは?

なぜ「就業規則改定」の説明がトラブル予防に不可欠なのか?

「就業規則は提出したから、それで完了だと思っていました」――このような声を経営者から耳にすることは少なくありません。確かに、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成・変更した場合、労働基準監督署に届出を行う必要があります。しかし、そのプロセスの中で最も重要で、かつ見落とされがちなのが「従業員への説明」です。
就業規則は、会社と労働者との間の“労働契約の土台”となるものであり、その内容は賃金、労働時間、休職、懲戒など、労務管理の根幹に関わるルールを定めています。つまり、変更されたルールを労働者が理解し、納得して働くことが、健全な労使関係を築くうえで不可欠です。
ところが現実には、改定の背景や目的が説明されないまま、単に新しい就業規則が「配られただけ」「掲示されたのみ」という企業も多く存在します。その結果、「知らなかった」「そんなルールは聞いていない」といった不満や誤解が生じ、トラブルや紛争に発展するリスクが高まります。とくに、懲戒や退職、賃金に関わる改定を行う場合は、後の正当性を担保するうえでも、説明の有無・内容が問われる場面が増えてきています。
社会保険労務士としての立場からも、実務において最も重要なのは、「ルールをどう決めるか」だけではなく、「そのルールが現場にどう伝わり、どう運用されるか」です。制度は作って終わりではなく、従業員が正しく理解し、納得してこそ初めて機能します。その意味で、就業規則改定時の「従業員説明」は、単なる儀礼的な手続きではなく、労務トラブルを未然に防ぐ“経営上の投資”とも言えるのです。
本記事では、就業規則改定時に必要な従業員説明の位置づけ、タイミング、方法、そして社労士として実際に支援してきた現場での工夫などを交えながら、「形だけではない納得のある改定」の進め方をご紹介します。

就業規則改定時の基本ルールと従業員説明の位置づけ

社会保険労務士の視点で見る「説明不足」が招く誤解とトラブル

就業規則の改定にあたり、「従業員に説明したつもりだった」「配布したから問題ないはず」と考える企業は少なくありません。しかし、社会保険労務士として現場に立つと、“説明不足”が原因で労使間の信頼関係が揺らぎ、深刻なトラブルに発展しているケースを数多く目にします。
例えば、ある企業では、勤怠ルールの改定により遅刻・早退の控除基準を厳格化したにもかかわらず、従業員への説明が不十分でした。突然、給与明細で控除額が大きくなったことに驚いた従業員が「そんなルールは知らなかった」と不満を訴え、組合を通じて抗議する事態に発展。結果として、企業側は改定を一時撤回し、混乱を収拾するための再説明と話し合いに多くの時間と労力を要しました。
このようなトラブルは、「就業規則が法的に有効になるには周知が必要である」という基本原則が軽視されていることに起因します。単に書面を配布するだけでは「周知」とは見なされず、従業員がその内容を理解し得る環境が必要です。とくに、労働条件の不利益変更が伴う場合は、合理性とともに「きちんと説明したか」が後の紛争で重要な争点となります。
また、説明不足による“誤解”も厄介です。私が関与した別の事例では、育児短時間勤務制度の運用ルールを就業規則に明記したものの、対象者の上司が理解しておらず、フルタイム勤務を強要するような言動をしてしまったため、本人が退職を余儀なくされる結果となりました。このケースでは、制度そのものに問題があったのではなく、「制度を正しく伝える仕組み」がなかったことが根本原因でした。
制度改定において最も注意すべきは、「会社としては当然のつもりでも、従業員にとっては突然の変更」と受け取られる点です。社労士の立場から言えば、説明は“義務”というよりも“信頼構築のプロセス”と捉えるべきです。従業員が納得したうえで制度を受け入れることが、実効性ある運用とトラブル予防のカギになります。
就業規則は、単なる社内規程ではなく、労使双方の約束事。その改定に際して、言葉と時間をかけて説明する姿勢こそが、企業の誠実さを示す最良の手段なのです。

従業員説明のタイミングと手順の実務ポイント

社労士が推奨する「説明会」「意見聴取」の工夫と注意点

就業規則を改定する際、法律上は「労働者の過半数代表者の意見聴取」が必要とされており、同意までは求められません。しかし、実務上は“説明不足”や“納得感の欠如”がトラブルの火種となり得るため、私としては、単なる形式的な手続きではなく、「実効性のある説明会」と「意見をくみ取る姿勢」を意識した運用を推奨しています。
まず、説明会を実施する際に重要なのは、「なぜ改定が必要なのか」という背景を丁寧に伝えることです。例えば法改正対応であれば、その内容や影響を平易な言葉で説明し、企業独自のルールを盛り込む理由を論理的に補足します。ただ条文を読み上げるだけでは、従業員の理解や納得は得られません。資料には“変更点一覧”や“影響がある部署”を明示し、視覚的にも理解しやすい構成を心がけましょう。
説明会は、対面・オンラインを問わず「双方向型」にするのが理想です。質疑応答の時間をしっかり確保することはもちろん、口頭での質問がしづらい場合には、匿名の質問箱や事前アンケートを用意するなどの工夫も効果的です。現場では、こうした双方向の姿勢が「きちんと向き合ってくれている」という安心感につながり、後の運用への協力も得やすくなります。
次に「意見聴取」については、過半数代表者の選出から注意が必要です。選出方法に不備があると、意見書の法的効力が疑われるリスクもあります。従業員の投票による公正な手続きを踏み、就任同意書や議事録もセットで保存するようにします。また、意見聴取時には、代表者が全体の声を反映できるよう、事前に職場内で意見集約の時間を設けることも推奨されます。
私が支援する現場では、就業規則の改定プロセスそのものを「職場コミュニケーションの機会」と捉えています。従業員が自らの働き方に関心を持ち、会社の制度に参加する感覚を得ることは、制度の定着やエンゲージメント向上にもつながります。
就業規則の説明会や意見聴取は、単なる“法的義務”ではなく、“信頼構築と実効性確保の場”。そう捉え直すことで、改定プロセスはよりスムーズかつ効果的に進めることができるのです。

書面化・同意取得に関する実務上の注意点

実際の改定プロセスでありがちなミスと対処法

就業規則の改定は、企業にとって重要な制度変更である一方で、実務では「形式だけ整えたつもりが、思わぬ落とし穴に陥る」ことが少なくありません。私が現場をサポートする中で見えてくるのは、改定の意図自体に問題があるのではなく、「進め方」によるミスがトラブルの温床となっているという事実です。
まず最も多いのが、「過半数代表者の選出手続きに不備がある」ケースです。例えば、上司や会社側が任命した人物を代表として扱ってしまい、後に労働者側から「意見聴取が無効ではないか」と指摘されることがあります。対処法としては、選出方法を明文化し、投票など公正な手続きを踏んだ記録(選出通知、投票結果、同意書等)を残すことが重要です。
次に見落とされがちなのが、「従業員への周知が不十分だった」パターンです。改定した規則を配布しただけ、掲示しただけでは“実効的な周知”とは言えません。従業員が内容を理解し得る環境を整えなければ、法的効力が疑われるリスクがあります。説明会の開催や説明資料の配布、質疑応答の記録保存を徹底することが、後の紛争予防に直結します。
また、改定内容において「不利益変更となるにもかかわらず、合理性の説明がない」点も問題になります。例えば、退職金制度の縮小や懲戒要件の強化といった改定では、従業員への影響を踏まえた合理性の説明が不可欠です。高山社労士の支援現場では、必ず“変更理由書”や“比較表”を作成し、説明会で背景と影響を丁寧に伝えるようにしています。
加えて、「規則を変更したが運用が伴っていない」こともよくあるミスです。就業規則は文書の整備だけでは不十分で、実際の職場運用との整合性が取れていなければ、規則の信頼性が損なわれます。社内研修や管理職向けの説明会を実施し、現場に新ルールが浸透するまでのフォローが欠かせません。
就業規則の改定は、単なる書類作成業務ではなく、労使の信頼関係を再構築する機会でもあります。だからこそ、形式的なミスを避けるだけでなく、“意図が伝わるプロセス”を意識した運用が求められるのです。

社会保険労務士が支援した就業規則改定の成功事例

社内理解を得ながらスムーズに改定した現場の工夫

就業規則の改定を円滑に進めるには、単に法的要件を満たすだけでは不十分です。重要なのは、従業員の納得と社内の協力体制を得ながら、実際の職場に“使えるルール”として定着させることです。私が支援してきた中小企業の現場では、いくつかの工夫によってスムーズな改定を実現している例があります。
ある製造業のケースでは、働き方改革関連法への対応として就業規則の大幅な見直しが必要となりましたが、長年ルールが改定されておらず、従業員の反発も懸念されました。そこで最初に行ったのは、経営層・人事部門・現場管理職を交えた「改定目的と優先課題のすり合わせ」です。社内の声を事前に拾い上げることで、机上のルールではなく、実態に即した改定方針を立てることができました。
次に注力したのが「段階的な説明会の開催」です。全社員を対象に一度に説明するのではなく、職種や部署単位で小規模な説明会を複数回開催し、質疑応答を丁寧に行うことで、各現場の不安や疑問にきめ細かく対応しました。このアプローチにより、「押し付けられている」感覚を払拭し、「理解しながら進んでいる」という安心感を醸成することができたのです。
また、変更点については“比較表”や“変更の背景と狙い”を図解付きでまとめた資料を配布し、誰が読んでも理解しやすいよう工夫しました。私が関与する支援では、制度用語に慣れていない現場従業員の理解を重視し、専門用語は極力避け、平易な言葉で説明資料を作成することを徹底しています。
さらに、実際の運用前には「管理職向けの導入研修」を実施。新ルールに基づいた勤怠管理や指導の仕方などを具体的にシミュレーションし、現場対応力を強化しました。その結果、制度改定後も混乱は起きず、従業員の定着率やルール順守率も向上するという成果につながりました。
このように、社内の理解と納得を得ながら制度を定着させるには、「双方向のコミュニケーション」と「現場に寄り添った設計・説明」が不可欠です。社労士の役割は、制度設計に留まらず、その制度が職場で“生きる”ための橋渡し役であると言えるでしょう。

まとめと結論(“形だけの改定”にしないために)

就業規則の改定は、企業の制度を見直す大切な機会であり、法改正対応や労務トラブルの防止にとどまらず、企業文化や働き方そのものを再設計するチャンスでもあります。しかし、私が多くの現場を見てきた中で痛感するのは、「法的な形式だけ整えた改定」が意外に多く、その結果、制度が現場で機能せず、かえってトラブルを引き起こしているという現実です。
形だけの改定とは、たとえば「変更内容を従業員に説明していない」「実態と乖離したルールになっている」「運用面で誰も内容を理解していない」といった状況を指します。これでは、せっかく時間とコストをかけて見直した規則も、企業の経営資源として活用されることはありません。
そのような事態を防ぐために大切なのは、「従業員との対話」と「運用まで見据えた設計」です。背景や目的を丁寧に説明し、現場の声を取り入れながら改定を進めることで、従業員の理解と納得を得ることができます。また、管理職への研修やマニュアル整備を行い、規則が実務で活かされる状態をつくることも忘れてはなりません。
さらに、企業ごとに事情や文化は異なるため、画一的なテンプレートではなく、会社の方針や組織体制に即した就業規則が求められます。そうした“オーダーメイド設計”を支援できるのが、社会保険労務士の存在です。労働法の専門知識と現場感覚をもとに、制度と運用のギャップを埋め、企業にとって「使える就業規則」を形にします。
就業規則は、単なる社内文書ではなく、“組織の約束事”であり、“経営の羅針盤”ともいえる存在です。形だけ整えるのではなく、「現場に浸透し、経営の力になる規則」へと高めていくことが、これからの企業に求められる視点ではないでしょうか。
その一歩を踏み出すために、社内だけで抱え込まず、外部の専門家とともに“伝わる・活かせる”就業規則改定に取り組むことを強くおすすめします。

社会保険労務士に相談するメリットとサポート内容(全国対応可能)

就業規則の改定や労務管理を検討する際、専門家である社会保険労務士(社労士)に相談することは、経営者にとって大きなメリットとなります。法的リスクの回避はもちろん、従業員との信頼関係を築き、会社の制度を“経営に活かすツール”へと進化させることが可能になるからです。
まず、社労士の強みは「法改正や判例動向を踏まえた制度設計」ができることです。就業規則や諸規程は一度作れば終わりではなく、社会情勢や働き方の変化に合わせて継続的な見直しが必要です。高山社労士のように実務経験豊富な専門家であれば、貴社の業種や組織規模に応じた現実的な提案が可能であり、「法的に正しいだけでなく、現場で機能するルール」を一緒に作り上げることができます。
また、改定に伴う従業員説明会の設計や、過半数代表者の選出支援、意見聴取書の作成など、細かな手続きまでワンストップで対応できるのも社労士の魅力です。単なる書類作成代行ではなく、企業側の意図を正しく従業員に伝え、現場の声も拾いながら進める“調整役”としての役割も担います。
さらに、定期的な顧問契約を締結することで、労働時間・残業管理、休職・復職、ハラスメント対応、解雇・懲戒などの労務相談にも迅速に対応できる体制を整えることができます。トラブルが発生してからの対応ではなく、未然に防ぐ体制こそが現代の企業には求められています。
高山社労士事務所では、Zoomやクラウドを活用したオンライン対応により、全国どこからでもスムーズにご相談いただける体制を構築しています。遠隔地であっても継続的な支援が可能であり、地方企業や多拠点展開企業からも高い評価を得ています。
労務管理の不安を「見て見ぬふり」せず、信頼できるパートナーとともに、仕組みで経営を強くする――それが、いま求められている企業の新しいスタンスです。まずは現状の就業規則の見直しから、社労士と一緒に始めてみませんか。
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